バレッタの中心街から海の方へ進むとスリーシティを一望できるような場所に大きな鐘が突如現れます。
この場所には多くの観光客が訪れるのです。なぜ、首都バレッタに大きな鐘が造られた、人々は訪れるのでしょうか。
・地元の人がよく行くのはなんで?
・なんで観光本に詳細が載ってないの?
・建物は知っていたけど詳しくわからない
日本の観光本には詳しく紹介されていませんが知ると観光がさらに楽しくなる歴史的な背景や込められた思いなどを紹介していきます。
この記事を監修している専門家
「布団の中からマルタ」編集長。学生の頃、マルタ長期留学を経験。以前までマルタで暮らしており、現在は、留学サポートや365日マルタの情報を確認。今後は観光本の出版、マルタで永住権取得&会社設立予定。
シエージュ・ベル・ウォー・メモリアルとは?
第二次世界大戦中にマルタのために戦って亡くなっていった兵士、民間人など多くの人々を称える記念碑のことです。終戦後、マルタがジョージクロスを受け取った1942年から50周年を迎えたことを記念して、1992年にエリザベス女王2世の発表により、建てられました。日本語では「マルタ戦争記念碑」と呼ばれます。
命救助等における極めて勇敢な行為に対して与えられるイギリスのクロス章のことです。マルタやオーストラリアなどの国旗でも用いられています。マルタの国旗にもジョージクロスが使われているので詳しくはこちらからご覧ください。
建てられた歴史的背景
第二次世界大戦中、マルタは第二次包囲攻撃を受けました。この頃、イギリスの植民地であり、イギリス戦争本部として機能していました。枢軸国は彼らの基地として使用するためにマルタ島を必要としたため、戦争が宣言された翌日、イタリア空軍はマルタに対して冷酷な攻撃を開始しました。マルタは第二次世界大戦中が始まってから最初の標的となり、激しい爆撃を受けました。 引用:Force Net
なかでも、1942年2月から6月にかけてマルタ包囲戦が強化され、24隻の商船のうち22隻が沈められ、なんとか2隻だけが到着し、必要な物資は多少手にしたものの辛い日々は続き、マルタ国民は154日間の連続した爆撃に耐えました。結果、3年間で7000人以上の兵士と民間人が亡くなったのです。その後、終戦を迎えた1942年にジョージ6世はマルタにジョージクロスを授与し、兵士と住民の英雄として称えました。
国のために戦った英雄たち
戦争の最前線であっても自宅であっても、残虐行為の終わりを祈り、1人1人が何らかの形で戦っていました。終わりの見えない苦痛の中でずっと耐え忍ぶことは現代の私たちには計り知れない恐怖であったことでしょう。
国のために戦った人々がいたからこそ今のマルタの平和があります。他の人々を守るために命を捧げた英雄たちを象徴しているのがこの鐘なのです。
なぜ、バレッタに建てられたのか
グランドハーバー内のバレッタの最も遠い場所であるカスティーユ要塞の静かな場所に敬意を持って建設しました。その控えめなデザインは、マルタ騎士団によって建てられ、自然環境と雄大な要塞と調和し、街の一部に溶け込むデザインで訪れるすべての人々に永続的な印象を残すように考え、造られました。
鐘楼の隣には、青銅製の寝そべっている像があり、海に眠る未知の兵士に向けた敬意や戦争で亡くなったすべての人々を象徴する「Unknown Soldier」(名もない戦士)があります。
記念碑に刻まれた有名な文字
記念碑にはラテン語のフレーズで、
“You cast thy shadow upon my head during the time of war 1940-1943”
1940年から1943年の戦争中に私の頭にあなたの影を落とした。
と刻まれています。
あなたは私の頭の中でこれからも生き続けているという意味になります。
営業時間・入場料
記念碑であり、施設ではないので24時間いつでも行くことができます。
朝の時間帯や夕暮れ時は鐘楼と景色がはっきりとわかるのでおすすめです。
もちろん、入場料などもありません。
風の強い日は海からの風を直接受けるので帽子やサングラスなどが飛ばされないように注意が必要です。
風を遮る建物などはないため海風を強く感じますのでニット帽や帽子などは飛ばされやすくなっていますが海風で髪の毛がぼさぼさになってしまうのは嫌だという女性も少なくはないはずです。遊びがメインだけど常におしゃれも考えられる服装が一番なはず。
冬であっても紫外線は強いため、しっかりとした日焼け対策をしたうえで小顔効果なども共に実現が出来る帽子が必要です。
行き方
バレッタのバスターミナルから噴水を通り越し、リパブリック通りを右(東の方角)へ進み、アッパーバラッカガーデンを左(北の方角)へと進んで行くとあります。
最後に
シエージュ・ベル・ウォー・メモリアルは絵に描いたのような美しいグランドハーバーの景色も楽しむことができ、バレッタの街の写真も撮りやすい場所です。
観光本には簡単にしか説明されておらず、歴史的背景や造られた経緯を知ると見る視点が変わってくることかと思います。
バレッタを訪れた際は、足を運んでみてはいかがでしょうか。
こちらからは以上です。
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